箕面山と箕面大滝
梅田から約30分。
豊かな自然が広がる箕面山
都会・大阪梅田から電車でわずか30分の位置にありながら、豊かな自然が広がる“明治の森箕面国定公園”。その中心に位置する箕面大滝は、古くから紅葉の名所として多くの人に愛されてきました。現在も新緑・紅葉シーズンには多くの観光客でにぎわい、季節ごとにライトアップ等さまざまなイベントが開催されています。
修験道の開祖が愛した箕面山
箕面山は修験道の開祖である役行者が修行したといわれる、日本で最も古い修行地の一つです。今からおよそ1300年前、役行者が箕面大滝で修行を行い、弁財天の導きを受けて真理を悟ったといわれています。その時に役行者が祀った弁財天像は、現在の瀧安寺の御本尊であり、日本最古の弁財天として篤く(あつ)く信仰されています。
その後、役行者は全国各地の霊山を開山し、最期は瀧安寺の奥の院である天上ヶ岳で68歳で昇天したと伝えられています。天上ヶ岳には役行者の石碑や銅像が建てられ、今も修験道の聖地として多くの山伏が訪れています。
箕面山と文学
箕面山・箕面大滝は多くの文学にその名を残しています。平安時代の流行歌を集めた『梁塵秘抄(りょうじんひしょう)』には「聖(ひじり)の住所はどこどこぞ、箕面(みのう)よ勝尾(かちう)よ、播磨(はりま)なる書写(そさ)の山、……」の記述が見え、平安の昔からその名を天下に轟かせていたようです。かの有名な鴨長明は、箕面の美しい自然を前に「苔ふかき みのおの山の 杉の戸に ただ声きけば 鹿の音ばかり」と詠み、俳人・後藤夜半が箕面大滝を詠んだ「瀧の上に 水現れて 落ちにけり」は滝の名句といわれています。
箕面大滝 名前の由来
「天下の名瀑」として知られ、「日本の滝百選」にも選ばれている箕面大滝。その名は、一説には滝が流れ落ちる「面」(表面の形)が穀物を入れてもみ殻や藁屑をふるい分ける農具の「箕※」に似ていることに由来するといわれており、現在の「箕面市」の地名にも採用されています。
※箕(み)…穀物をもみ殻や藁屑をふるい分ける農具。